以前は材料や設備機器などは全て我々の様な施工会社でなければ手に入れる事ができませんでしたが、今やほとんど全ての物をインターネットで手に入れる事ができます。
壁を立てる為の軽鉄や石膏ボード、パテや塗料、フローリング、設備機器など買えない物は
何もありません。
全ての材料を買えるという事は私たち施工会社は必要なく、デザイナーの設計図と実際に工事をする職人がいればリノベーションはできてしまいます!
そうすれば施工会社分の経費、利益が丸々浮くためかなりの減額になるはずです。
と、言う訳にはいかないのです。。。
そこには「責任」という厄介なものが絡んできます。
仮に全ての材料を施主支給にし、職人を手間請け(1日いくらという考え方)で雇って工事をした場合、万が一後々不具合が起こった時に一体誰の責任なのかが非常に分かりにくくなってしまいます。
例えば壁が曲っていた場合、きっと職人は材料が最初から曲っていたと言うでしょう。
例えば照明が壊れた場合、配線の不良なのか器具の不良なのかそれとも施工不良なのか・・
そもそも手間請けの場合は直接的な責任は負わないという了解のもと成り立っています。
どこに責任があるのかが分かりにくすぎるからです。
そこで請負という考え方で、材料から施工まで一貫して責任を負うという方法をとります。
それであれば「材料が・・・」とか「時間が・・・」とか言い訳をすることはできません。
不具合があれば責任をもって直す必要があります。
上記のリスクを承知した上で全ての材料を施主支給にする事は可能ですが、通常は
責任が見えやすくなる「商品」のみを施主支給にする事がほとんどです。
トイレやガスコンロ、オーブンなどの設備機器、フローリング程度が一般的です。
設備機器に関してはインターネットの方が圧倒的に安いので是非施主支給にするべきです。
弊社は工事が始まる前に工程表を出しますので、そこに施主支給の商品の納品のタイミングを明記しますので、そこに届く様に手配してもらえれば大丈夫です。
問題は「職人」の施主支給です。
友達で職人がいるから塗装はその友達を使ってもらいたい・・・などの依頼もごくまれに有ります。
これが一番困ってしまいます。
最近ドルトムントに香川真司選手がマンUから戻ってきましたが、彼に限らずどんなに素晴らしい才能を持った選手でもチームにフィットしない事は往々にしてあります。
代表チームよりもクラブチームの方が強い場合がしばしば有りますが、それはまさに
「チームワーク」の問題です。
Jリーグに多くのスター選手がやってきましたが、結局フィットせずに帰ってゆく場合が多いのと同じ様に工事現場でも実は意外に「チームワーク」が重要視されています。
誰がどんな動きをするかの予測が立てられるから、自分はこうやって動こうとサッカーでも現場でもやっているのです。
その中に才能あふれたプレイヤーが入ってきても中々すぐには・・・。
フィットする場合もあればフィットしない場合もあり、サッカーの場合は回数を重ねるたびに修正をしてゆけばいいのですが、現場は一回限りです。
ですから、弊社では「職人」の施主支給はお断りしております。
それでもどうしても・・・と言う場合は、弊社の管理下ではなく弊社の工事終了後に施主自身による管理でお願いしています。
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