手のこ
ノコギリと言われるむかーしからある大工道具です。
昔はこの手鋸で全ての材料をカットしていました。
大小、歯の細かさなど様々あり、用途に応じて使い分けています。
丸のこ
その名の通り丸い形の歯を電動で高速回転させ、木を切断します。
歯の種類を変えれば金属の切断も可能です。
私はその場に立ち会ってはいませんが、電動丸鋸が登場したのは画期的な出来事だったであろう事は容易に想像できます。
エドモンド・ミッシェルという人により1924年に発明されたそうです。
いままで、人力で何十分も掛けて切っていた物が電動丸鋸を使えばほんの数秒で切れてしまいます。
その上、定規をあてて真直ぐに切る事まで出来る夢の様な道具です。
この技術革新によって現場作業は格段にスピードアップしたに違いありません。
iPad
もちろんご存知、みんな大好きiPadです。
このiPadの登場により現場作業は格段にスピードアップ・・・してません!
職人の手のスピードは全く変わっていないからです。
ただ、このiPadの登場により我々の所に情報が到着する速度が異常に早まりました。
私がこの業界に入った頃は、半分くらいの人が携帯電話を手にした頃でした。
Eメールのアドレスも1社に1つで、全員で共有する程度の話しでした。
その頃の図面のやり取りはFAXです。
その前は郵送です。
郵送の場合は早くても次の日にしか届きません。
それがファックスになり、メールになり、メールは今や世界中どこにいても届いてしまいます。
ちょっと変更が有った場合に図面を書直して郵送し、次の日に到着し、到着した日の夜に現場から戻って確認して、その次の日に現場に反映させるという流れでした。
いまは変更があった直後に図面を修正し、メールで送ると直後には現場のiPadに届いて見る事が出来ます。
情報のスピードが速くなり便利になった反面、私たち施工会社は情報から具体物に変換する仕事ですから、急な変更に対応するのが非常に困難なのです。
壁の位置を変更するのはCAD上ではクリック2回程度ですが、現場の職人はそうはいきません。
情報技術のスピードアップがこの3年くらいの間で加速度を増している様な気がします。
しかし、今も職人は手鋸と丸鋸を駆使して現場作業をしています。
ITとリアルの狭間にいる設計事務所と現場監督の個人の頑張りによって今は何とか持ちこたえていますが、そろそろ限界に来ている様に感じます。
これ以上アップル社が魅力的なプロダクトを開発しない事を祈って止みません。
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