リノベーションをする上では必ず設計というフェーズが必要です。
DIYの様に考えながら工事をするということが非常に非効率だからです。
その場で考えて、それにあわせて材料を加工して・・・とやっているととっても時間がかかります。
その上、全てのことを自分で一人でやるわけではなく、電気工事や水道工事などで職人を呼んだり
する場合も有りますから、彼らの予定も押えなければならないため、着工前にほぼ全てのことを決め
来る職人のスケジュールを押え、製作する工場を押え・・・という必要があるため、その場での
変更に対応しきれないのです。
例えば20人で忘年会をしましょう!となった時に幹事の経験がある方は分かると思いますが、結構大変です。全員の予定を聞き、希望の場所を聞き、店を予約し、予算を調整し、当日は支払いまで・・
その上、突然キャンセルする人が現れたり、友達連れてきちゃったりする人がいたり、食べられない料理があると言い出してみたり、遅刻してみたり・・・
まーー大変な騒ぎです。
リノベーション工事の場合は50人から80人規模の人間の予定を調整する必要があります。
現場監督はそんな規模の飲み会の幹事の様な役割です。
そのために図面という縮尺のかかった世界の中でシミュレーションをするのです。
その中でたくさんの予定変更をし、納得した上で現物の工事を始めます。
しかし、そこらへんの流れがどうにも釈然としません。
全体的な流れとして
1.施主 → 設計 言葉
2.設計 → 施主 イメージ写真、スケッチ
3.施主 → 設計 言葉、イメージ写真
4.設計 → 施主 スケッチ、図面、パース
5.設計 → 施工 図面、パース
6.施工 → 施主 見積り
7.施工 → 職人 施工図、スケッチ
8.監督 → 職人 墨、言葉
最終的に結局「墨と言葉」です!
信じられません。この宇宙にも行ける21世紀に最終的には墨汁で書いた線と口頭です。
いろんな部分で当然エラーが起こりますが、最後の監督→職人の部分においては一発勝負で基本的にはやり直しがききませんから、どうしてもこの段階でのエラーが目についてしまいます。
4あたり以降はもう不要なのではないだろうかと日々思います。
結局のところエラーが起こらない為の手段として色んなメディアを組み合わせて工事が進んできたという経緯は理解できますが、再度言いますが宇宙にも行ける時代に最後は「墨と言葉」に頼っているのです。
そして、最もエラーが起こるのが間違いなく8のフェーズです。
だって墨と言葉に頼ってますから。
墨と言葉と飲み会の幹事。非常にアナログな部分に頼りすぎている結果として、時間もお金も無駄に消費している様な気がしてなりません。
最近リノベーションの金額が上がっています。
やる業者が少ないからなのですが、少ない理由は儲からないからです。
時間がかかる割りに実入りが少ない。割に合わないというやつです。
4〜8に一気に飛び、さらに8の精度を格段に向上させることは既存技術で間違いなく可能です。
デンソーあたりが本気になれば一瞬ですよねきっと。
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