工事をやっていて楽しいと思う時がある

なんだかいっぱいブログの記事を書いてきましたが、この辺で遅ればせながら私たち株式会社バターという会社と代表田中(私です)の自己紹介をしようと思います。

 

私がこの業界に入ったきっかけ経緯としましては、ほとんどの現場監督がそうだと思いますが、私も同様にインテリアデザイナーになりたかったという事がきっかけです。

高校3年生の夏休みに文化祭の演劇の練習をしていた所までさかのぼっちゃいます。

その時に友人のK君と話しをしていて、彼が東京芸術大学の建築学科を目指しているという事を知ります。なんとなく進路を考えなければならない空気感満載で追いつめられていた高校3年の夏に「芸術」

という響きは何とも魅力的に聞こえたのです。

なんだろう、このドロップアウトしている様なしていない様な麗しい響きは!と。

そそくさと彼について予備校に行きパンフレットを持ち帰りました。

 

当時村上龍の小説が大好きだった私は村上龍が武蔵野美術大学出身?中退?であるという事を知ります。もうこれは美大に行くしかない!となったのです。単純に。

そして1浪の後に武蔵野美術大学の空間演出デザイン学科という商空間のデザインを学ぶ学科に入学しそしてあまり熱心に勉強をすることなく卒業制作は「校舎にセーターを着せる!」という訳のわからない事をやろうとし、教授からは「お前がやろうとした事の中で、お前が選んだ方法は最低だ!」という評価を頂き・・・卒業しました。

ファ!就職活動をしておりません。。。

 

そこで近所のナチュラルローソンで「ガテン」という求人雑誌を買い、家具屋さんかなんかでアルバイトしようと思いながら探していた所「店舗」という文字が目に入りアルバイト感覚で応募したところ正社員として施工会社に採用されました。(されてしまいました。)

ここまでがこの業界に入ったきっかけになります。

 

そこから施工会社→デザイン事務所→施工会社→バター設立となります。

まぁ修業期間なんて少しも面白い事なんてありません。

中古マンションのリノベーション、リフォーム会社という認識をされる事が多いのですが、実はこんな経緯で設立をしていますので、店舗でも美術展でもオフィスでもなんでもやります。

 

この業界でずっと生きていると図面を見れば完成した姿が目には浮かびます。

しかし、中には完成の姿がよく分からないデザインをするデザイナーもおります。

それには2種類あり、

・デザインに一貫性がなくデザイナーの意思が伝わってこない図面。

・やりたい事はわかるが、複雑でイメージができない図面。

があります。

 

デザインに一貫性がなくデザイナーの意思が伝わってこない図面に関しては、あまりどうという事もなく施主の要望を聞き過ぎた結果、なんだかつまらない物になってしまった・・という事なんだろうと思っています。

 

もう一方のやりたい事はわかるが、複雑でイメージができない図面、これですこれ!

これは本当にシンドイ!そしてこれをやっているときが一番楽しいです!

私たち工事業者は実は結構完成を楽しみにしているのです。

どんどん出来上がり、色んな点と点が繋がり線になり面になる感覚があって、それはそれは興奮します。ウォーーこうなるんだー!と言いながら職人達と作業しているのです。

「複雑」というのは決して形がというだけではなく、物と物との距離感や色やボリューム、様々な関係性も含めて複雑という事なので、案外シンプルなデザインをするデザイナーに多い印象はあります。

 

仕事ですからほぼ全ての事が辛い事ばかりです。

が、こういう体験をできると楽しいなー!!と思うし、やりがいを感じます。でも疲弊します。。

疲弊するのでたまにでいいんです。。

 

※私がこの業界に入る大元のきっかけを作ってしまったK君はその後希望とおり東京芸大の建築学科を卒業し、中国で建築の仕事をしています。年に1度くらいしか会えません。

最後にあった時は代々木で安くマズい焼肉を食べた後、上野の中国人キャバクラに連れて行かれました。つまらなかったです。

 

 

K君が学生時代に製作した「セドリック」というタイトルのメガネです。

弊社事務所に転がってますので、かけてみたい人は是非!