一軒のカバン〜その2

池田くん

弊社のスタッフの2年目の池田くんにブログの執筆を頼んだところ、意外にも面白い文章が出てきました。

休暇でアメリカに旅行に行っている最中にメールで送ってきました。

空港のラウンジや機内でパソコンを開き世界を飛び回るビジネスマンの様なフリをして書いたんだろうと想像しますと、何だか少しイラっとします。

そうはいっても休暇中にわざわざ送ってくれたことに感謝しつつ、楽しく読ませてもらいました。

リノベーションの規模

なんだかんだ言ったってリノベーションは時間もお金も労力もかなりかかります。

本当にしんどいのです。

大規模なフルリノベーションになるとやはり住みながらというのは無理ですから、仮住まいに引越しをしたり、新たに別の場所に購入する場合でも、完成のタイミングでそれまでの家の契約を・・・とか。

やりたいけど、そこまでの労力を考えると無理かーなんて思っている方も多いかもしれません。

 

ただ、そもそもリノベーションはかなりプライベートな空間を作ることを目的にしていて、決して住宅だけに限定する必要もないのかもしれません。

池田くんの書いた一軒のカバンという文章には建築史家の五十嵐太郎氏がキャリーケースを自宅として紹介しているという内容ですが、そこには家ってなんなの?という根本的な問いかけがあります。

家ってなんなの

寝る場所?食事をする場所?家族が集まる場所?・・・

家って概念でしかなく、実際に家を構成している要素の個々人の重要度のバランスがそれぞれにとっての家であるのは間違いありません。

 

あくまでも家を物質として規定するのではなく、自分の中にあるものなんだろうと。。

まぁーなんともいやらしいスカした文章になってしまいました。。。

 

私たちは家を物質として規定する仕事をしています。

浴室があってトイレがあってキッチンがあって下駄箱があって・・・と。

こんな要素があるからと言ってそこが家であると言えるわけではないという根本的なことを、この辺でもう少し考えなければならないのかもしれません。

 

私が20代の頃に働いていた会社は結構過酷で、同僚は当初一人暮らしをしていましたが、途中からそのアパートを解約してしまいました。だって家に帰れるのは月に5.6回なんですから。借りていても仕方がないと。

私も同じ様な働き方をしていましたが、ギリギリ私は解約はしませんでした。。

当時の私たちは、浴室は銭湯か会社の給湯室、キッチンは牛丼屋さん、クローゼットはハイエース、ベッドは百貨店の共用通路という生活をしていました。

確かに家という物質は必要はなかったかもしれません。

小規模なリノベーション

まぁそんな極端な話は稀ですが、少なくともいろんな条件によって大規模なリノベーションを諦めている人は、もう少し小規模なリノベーションも検討してみてはいかがでしょうか。

カバンをリノベーションしてみたり、デスクをすごく自分専用にカスタマイズしてみたり・・・

 

小学生の頃に使っていた異常に多機能な筆箱覚えていますか?

あっちこっちから消しゴムや定規が飛び出してくるみたいな。

あれはあれで、非常にリノベーション的な気がします。

無駄な機能だけど、使っている本人は非常に満足気で気に入っている。

 

リノベーションも結局は個人的な欲求の産物であり、決して商品化する必要のない他人から見れば無駄なものの詰め合わせであって良いと思います。

そんな無駄に多機能な家具を作ってみたいです!

誰かやりませんか??