なんとか風とはなんだ?
リノベーション市場が盛り上がり、加熱するとともに「なんとか風」というリノベーションのテイストを耳にします。
それはなんなのでしょうか?
例えばニューヨークロフト風とかヴィンテージカフェスタイルとか、パリアパルトマン風とか・・・
ちょっと冷静になる必要があるかもしれません。
単純に今そういったお店が流行しているだけの話で、それを自宅に取り込んでしまうと数年後、十数年後に苦笑いをしなくてはならない羽目になりそうです。
まぁそうすればまたやり直せばいいや!というほどカジュアルに取り組めるプロジェクトでもない様な気がします。
リノベーションの価値
リノベーションの価値とは、より自由になんら制限なく自分のライフスタイルに向き合える事なんだと思います。
裏を返すと自分たちのライフスタイルに向き合わなくては、本当に自分らしい家に住めないということになります。
それは案外苦痛を伴う経験かもしれません。
それを「〜風」といういくつかの言葉でくくってしまうと、そこに自分を当てはめていく必要が出てきます。
それでは結局のところ建売住宅を購入するのとなんら変わりはありません。
店舗などでは〜風とくくって販売戦略の一環とすることはあっても、住宅ではなんだか悲しい気持ちになってしまいませんか?
ニューヨークロフト風のインテリアを東京で・・・
いや、それ本当に表面だけ真似しただけじゃないですかー!
デザイナーの価値
私の経験上では力のあるデザイナー、設計者は「〜風」という括り方をしません。
そもそもが「〜風」っていう言葉自体が真似をするというか、それっぽいという言葉ですから、最初から避けている様な気がします。
大手企業のリノベーション事業が活発になればなるほど、よくわからない自称デザイナーみたいな人が出てきてピンタレストか何かを見ながら切り貼りしてゆくという様な手法で出来てしまっている様に思います。
弊社の入居しているビルのエントランスがこのほど改装されました。
豊洲新築マンション風とでもいいましょうか、明らかにこのビルには似つかわしくない様な雰囲気になってしまい非常に残念に感じています。
このまま共用部分や各戸の玄関ドアまでそんな風になってしまうのではないかと心配しています。
そういう事をやる人たちは、一級建築士事務所であるとか上場しているとかが最も重要な事であると吹聴しております。
建築士事務所以外はリノベーションに携わることは違法である様な言い方をする人たちもいます。
ちなみに一級建築士事務所だからといって工事ができるわけではありません!
設計のプロであって工事のプロではないからです。全てにおける上位資格な訳ではありませんのでお気をつけください。
当然ですが一級建築士事務所だとしても建設業許可が不要なわけではありません。
許可を未取得の場合は500万円未満の工事に限定されます。
建築士事務所登録と建設業許可は別なものです。弊社は設計料はいただいておりません。
建築士事務所登録をしておりませんから、違反なのです。
逆に建築士事務所登録をしていても建設業許可がない場合は500万円以上の工事を請負うと違反です。
弊社の取引先の設計事務所、インテリアデザイン事務所でも資格を持っている人もいれば持っていない人もいます。
一級建築士資格を持っていてもインテリアデザイナーを名乗っている人もいます。
建築家としてビッグネームな人でも資格を持っていない人もいます。(まぁそれはどうなのかなと思いますが・・・)
そして、能力に資格の有無は関わりがない様に感じています。
東京は資格さえあれば仕事ができるというほど寂れてはいないのです。
ちなみに弊社にも建築士の有資格者は所属しております。
が、特にそんな事をドヤ顔でうたう必要はありません。
建築士資格があれば建設業の職人たちから信頼されるというものではないので。
施工会社は施工方法を知っていて、それをやる専門業種の職人の連絡先を知っているだけというわけではありません。
サッカーのナショナルチームとクラブチームを比べてもクラブチームの方が強い場合があるのと同じで、チームワークが出来上がっているかどうかが施工会社の力なのです。
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